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「もののけ姫」を西洋と日本の視点で考える!(雑談)

皆さん、ジブリ映画はお好きでしょうか?

私はですね、大好きです。

ジブリ映画というのはアニメ映画ですが、萌えキャラが登場するわけでもなければ、君の名は。のように飛び切り美しい映像が評価を得ているわけでもありません。

それなのに人気ですよね。なぜでしょうか??

 

あくまでも私の意見なんですが、ジブリ映画に共通して言えることは、

「メッセージ性が強く、セリフが力強い」

ということです。

例えば、「バルス」や「人がごみのようだ」。あるいは「生きろ。そなたは美しい」等々、ジブリの中では枚挙にいとまがないほど有名なセリフがあります。

 

このように、ジブリ作品は「セリフの力」が強いのです。これが人気の理由かなと思います。

 

そして、今回は、私の一番好きな「もののけ姫」を取り上げます。

一応、リンクを貼っておきますね。

 

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DVD版とBlue-ray版を貼っておきました。

 

さて、私がこの作品を好きな理由ですが、

一に音楽、二にセリフ

です。

まず、音楽が美しい。これだけでも見る価値があると思います。

 

そして、セリフ・・・の前に内容を考察してみましょう。

これはですね、日本が舞台の作品ですが、よく考察すると、

日本的な価値観と西洋的な価値観の対比

であるように取れます。

 

そもそも、もののけ姫は「シシ神」様という絶対神がいて、それが「モロ」や「乙事主」といった者たちを束ねていると捉えられるかもしれませんが、それは正確ではありません。

上記の捉え方は西洋的な観点で見た時のモノですね。

例えば「モロ」にしたって「乙事主」にしたって神であり、「シシ神」を絶対視しているわけではありません。

これは、「唯一神」を持たない日本的な考え方ですね。

 

西洋的価値観を印象付けているのが、アシタカ(主人公)が「シシ神」に命を救われるシーンです。

「シシ神」は命を救うことも奪うこともできるわけです。

さながら、聖書の「最後の審判」の様だと思いませんか?

 

ちなみにですが、サンは、

「シシ神様が命を救った。だから助ける。」と言っていますね。

これはシシ神の判断に盲目的に従う西洋的観点の行為です。

ここに、山犬(日本的アニミズム)になり切れないサンの様子を描いていたのかもしれませんね。

 

本筋に戻ります。

詳しくは、後日の「西洋はなぜ世界を制し得たのか」の記事で書きますが、そもそも西洋は人間=神(が造ったもの)つまり、人間を神の化身のように考えます。

そして、神は自然(神が造ったもの)を凌駕しなければならないと考えるわけです。これはまさに、ジコ坊やエボシ御膳の「人間がシシ神を制圧しなければならない」という精神に通じます。

 

そして、まぁ、色々やってしまってから、アシタカが勇んでシシ神の首を返そうとするのですが、その時のセリフが

「人間の手で返したい」

です。

これは自然と人間を一体視していた日本の考え方ですね。

 

さらに、この後、私の一番好きなセリフが続きます。

それは、ジコ坊が放った、

「いやぁ、参った参った。馬鹿には勝てん。」

というセリフです。

 

我々はとかくバカや愚か者になるのを恐れて、賢くなろうとします。

それを否定するわけではないのですが、賢くなるというのは終わりのない戦いです。

その点、アシタカは自分の利益や権益などは一切考えない「馬鹿」です。

が、「馬鹿」とは「純粋」ということです。

この純粋さが、ジコ坊をして、「馬鹿には勝てん」と言わしめる理由なんですね。

 

つまりもののけ姫の中にはあらゆる場面で日本的価値観と西洋的価値観が対比的に存在しており、それは時には一人の人間あるいは一つの神の中にも存在している。

故に、当然のことながらそこに優劣は存在せず、その矛盾の上に成立しているのがこの世界である。

といったところでしょうか。